
絶滅の恐れのある希少な動物
アルマジロは南米大陸全般及び北米南部までの広い地域に生息している哺乳類です。
見た目の大きな特徴となっているのが背中全体を覆っている甲羅のような硬い板で、「アルマジロ」という名称もスペイン語の「武装した小さなもの」という意味で付けられいます。
背中のゴツゴツした皮膚がウロコに似ていることからしばしば爬虫類と間違えられることもあるのですが、れっきとした哺乳類でありトカゲやカメレオンといった動物とは全く生態が異なります。
原種は約20種類ほどに分類することができるのですが、いずれもあまり警戒感がないというところで共通した性格をしており、生息地の道路を無防備によちよちと横切っている様子が見られます。
生物的にはアリクイ目アルマジロ科として分類されていることからわかるように、オオアリクイなどの生物に近い性質を持っています。
同じアルマジロ科として「オオアルマジロ」や「ヒメアルマジロ」といった種類があり、それぞれ成体になったときの体のサイズに大きな違いがあります。
最も大きい「オオアルマジロ」は体長はだいたい75~100cm体重は19~23kgくらいとかなりのサイズになるのに対し、最も小さな「ヒメアルマジロ」は体長約8~12cm、体重はわずかに0.1kgくらいにとどまります。
背中の板を除けば全く違う動物のようにも思えてしまうほどです。
アルマジロは現在絶滅危惧種に認定されるという厳しい状態にある動物です。
これは主な生息地で次世代燃料としての研究が進む穀物を育てる畑が急激に開発されており、アルマジロのすみかがなくなってきてしまっているからです。
アルマジロの主な生態
アルマジロの背中のゴツゴツですが、これは「鱗甲板(りんこうばん)」と言われる皮膚が固く変化をしたものです。
目的はもちろん外敵からの攻撃を防ぐためで、完全に防御態勢になったときには猛獣の爪や牙でも貫通することはできません。
同じような防御方法をとる動物としてハリネズミがありますが、この二者で共通しているのは基本的に別の動物との争いを好まずできるだけ戦わないという生活を選んでいるということです。
ただしハリネズミのように攻撃をしかけてきた相手にも高いダメージを与えることができるわけではなく防戦一方となるアルマジロはより粘り強く防御に徹しないと生き残れません。
一時的に捕食者の攻撃を防いだとしても相手がずっと近くで待ち構えてしまっていては自力で移動をすることもできず疲れて防御を解いたところ狙われてしまいます。
ですのでアルマジロの防御態勢はそれほど頻繁に見られるものではなく、自力で逃げてもどうしても逃げられなかったときの最終手段となります。
アルマジロの飼育方法
希少種のアルマジロですが、種類によっては自宅用ペットとして購入することができます。
日本国内には原種はいないので正規のルートからの輸入で取り寄せをすることになります。
飼育をするときは体の大きさに合わせたケースに入れておきつつ、適度に外に出して運動をさせるという方法になります。
熱帯地域に多く生活をしているので寒さに弱く、ケージや室内の温度を常に高く保っておかなければいけません。
それとおとなしそうな見た目に反して鋭い爪を持っているので取り扱いには注意が必要です。
この爪は他の動物を攻撃するためではなく土を掘ったりするときのためのものですが、怒らせてしまうと思わぬ大怪我をしてしまうことになってしまうかもしれません。