
珍しい原猿類
人間の次に知能が高い生物として知られる霊長類のサルですが、その中にもかなり沢山の種類のものが存在しています。
人間に生物学的分類で最も近いとされているのはチンパンジーやゴリラといったものですが、その反対に同じ霊長類の中で人間から遠い種族のものを「原猿」と呼んでいます。
原猿は生態的に原始的な行動をとることが多く、チンパンジーなどとは体質的な特徴もかなり異なっています。
霊長類の中でも特に原始的なグループに属しているのが「ロリス」や「ポト」といったもので、いずれも体の大きさが非常に小さいことが特徴です。
原種グループに他に含まれるものとしてはメガネザルやキツネザルというものもいますが、全体的にはサルよりもむしろネズミのような小型の哺乳類に近い見た目をしています。
原猿の中でも最も原始的なのが「ロリス」で、その亜種として発生したとされるのが「ポト」です。
これらは現在でもアフリカ大陸を中心に東南アジアや南米地域で生息しているところが発見されています。
もともと熱帯地域でだけ生息をしてきたサルなのですが、近年地球が温暖化してきたせいか徐々に生息域が北上しているということも研究によりわかっています。
ペット用の主なロリス・ポト
ロリスやポトの中にもいくつかの種類があります。
ペット用として流通しているものの代表は「ピグミースローロリス」や「スローロリス」というものです。
中でも特に人気が高いのは「スローロリス」で、中国南部~インドシナ半島を中心的に生息している種類です。
大きく丸い瞳とその周囲を縁取った濃い色の毛並みが特徴的で、動きがとてののろく一日のほとんどの時間を木の上で過ごすというところが特徴です。
「ピグミースローロリス」はベトナムやインドシナ半島東部に主に生息しており、見た目はだいたい「スローロリス」と同じですが体の大きさが一回り小さく人の手のひらに乗ってしまうサイズをしています。
「ポト」も東南アジアに生息するロリスによく似たサルで「スローロリス」同様非常に体の動きにのろいということが特徴になっています。
ただ「ポト」の方がロリスに比べて食生活が草食に偏っており肉食よりも果物や樹液を好みます。
いずれも夜行性で昼間は木の上の安全なところで眠っています。
ロリス・ポトの基本的な飼育方法
ロリス・ポトを飼育する場合には大きめのケージの中に入れるか、適度に外に出して運動させてあげるようにします。
とはいえあまり運動量の多い動物ではありませんので、体の大きさに合わせたケージの中にいくつか樹を立てておいて挙げれば自分で必要な運動はしてくれます。
原始的なサルといっても知能はかなり高いので、飼い主さんが積極的にコミュニケーションをとっていくことで一緒に遊ぶこともできます。
餌は新鮮な果物がおすすめで、無理に昆虫などの生き餌を上げる必要はありません。